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コーディネーション力がだいじ

「コーディネーション力」についてさらっと書いてしまいましたが、これは結構くせ者です。

フィギュアスケートの高橋大輔選手が有名になるきっかけになったのが、コーディネーション・トレーニングだったそうです。

このトレーニングをするとどんな身体になるかというと、汎用性が高まるのです。汎用の意味は「広くいろいろな方面に用いること(三省堂「大辞林」より)」です。つまり、手足だけでなく首や体幹も、要するに全身が思い通りに動かせるようになるのです。

ということは、種目によらず有益なトレーニングといえます。思い通りに全身が動かせるわけですから、フィギュアスケートの動きをしようとすればそれができるし、バレエの動きをしようとすればそれができるというわけです。

ちょっと実験してみましょう。

【実験1】
右手で三角形、左手で四角形を同時に描いてみましょう。「ぴっ、ぴっ、ぴっ」と言いながら一画ずつ描き続けます。

   ・・・・・・

どうでしょう。
左右バラバラにコントロールしようと脳が働いているのがわかったでしょうか。普段あまり使わない脳の使い方ですので、ちょっと新鮮に感じるかも知れません。

【実験2】
足の一番と二番に交互に着地する感じで、開いて閉じてとジャンプを繰り返します。同時におへその前で手拍子2回、顔の前で手拍子2回を繰り返します。これも「ぴっ、ぴっ、ぴっ、ぴっ」とテンポを合わせます。

   ・・・・・・

ちょっと息が上がりますが、どうでしょう。
今度は左右ではなくて、手足をバラバラにコントロールしようとしているのがわかったでしょうか。

この二つの実験はかなり簡単なコーディネーションです。

こういった、左右のバラバラ、上下のバラバラが発展してバレエの動きになったり、フィギュアスケートの動きになったりしているわけです。

ここでバレエ上達の二つのアプローチが見えてきます。

仮にマスターしたいステップがあったとして、一つめのアプローチは、単純にそのステップを反復するというものです。普通にレッスンして上達しようとした場合は、このアプローチを取っていることになります。

もう一つのアプローチは、コーディネーション力を上げて、目的のステップに必要なバラバラ力を身につける。その後でそのステップをやってみると簡単にできるようになっているというものです。

ステップの難易度が低い場合は、どちらのアプローチでも比較的簡単にマスターできます。

しかし、難易度が上がってくると差が出てきます。

一つめのアプローチでは、同じ動作を繰り返すことになるので、身体への負担が偏ってきます。その結果、オーバーワークになりやすくなります。

一方、二つめのアプローチでは、同じ動作の反復は避けられるので、オーバーワークにはなりにくいです。つまり、上達し続けられるということです。

メリットとデメリットも見えてきます。

一つめのアプローチでは、マスターできるのは目的のステップのみです。別なステップをマスターするにはまたそれなりの反復が必要になります。

ところが、二つめのアプローチでは、同程度の難易度のステップは次々とマスターできるようになっています。

続く..

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