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バレリーナの怪我の予防のカギを手に入れませんか?

米ニューヨーク・タイムズの記事(2011.10)によると「MRIは使わないほうが良い」とのこと。ほとんどのケースで誤解・誤診をして、必要ない治療・有害な治療をしてしまうから、という事らしいです。
http://www.nytimes.com/2011/10/29/health/mris-often-overused-often-mislead-doctors-warn.html?_r=4&scp=1&sq=the%20athlete%20pain&st=cse&


この結論は、10年前に腰痛診断で画像診断(レントゲン、CT、MRI)はしないようにしましょうというヨーロッパのガイドラインと同じ所にたどり着いているのが興味深いですね。
http://www.backpaineurope.org/

このヨーロッパのガイドラインには補足的に骨盤帯(Pelvic Girdle)が付いていて、この議長 Andry Vleeming氏の共同研究者Diane Lee女氏は理学療法の世界的権威。おそらくこのガイドラインの原稿を書いたのはDaine Lee。そのDiane Lee氏が書いた『The Pelvic Girdle』という本の第三版の表紙は見事にダンサーが飾っています。

話が飛んでいるようで飛んでないんです。
この『The Pelvic Girdle』の中にバレエの生徒さんや教師の方にとってとても重要な写真が掲載されているんです。骨盤の左右に一対付いている関節を例に、左右で角度がぜんぜん違うことがあるというものです。

よく整体などで左右の動きの差を調べて、ばらつきがあったら「左右を整えましょう」と、考えるわけですが、それは骨の形状・関節の角度が「左右対称」であるという前提に立っているからですね。

ところが、この本が示しているのは関節の角度がそもそも左右で全然違っている人が人口のある一定割合でいる。そういう人は「左右整えたらダメでしょ」という結論です。

さて、これをバレエに当てはめるとどうなるでしょう?

「左右対称に、左右バランス良く」

と何気なく言ってませんか?

例えば、ターンアウト。

ターンアウトは複数の骨の形状や角度が複合して決まるので、一筋縄では行きませんが、骨の形状が左右対称ではないということはここにも当てはまります。

それをMRIを使って具体的な角度を出して左右のばらつきを示した論文がIADMSに初めて出たのが2008年。いまから五年前の話。
http://www.ingentaconnect.com/content/jmrp/jdms/2008/00000012/00000004/art00004
(IADMS会員限定のページです(^^;)

このデータを見てしまったら、多くのバレエ教室でなされている指導がかなり非合理的なものであると思わざるを得なくなります。

「知らないから」では済まされないことなのですが、済まされています。

いまワガノワ先生が存命ならすぐに教科書を書き換えていることでしょう。なぜならワガノワ先生はこんな風に考えている方だったから。

「長い間私に会わなかった生徒たちは、私の教える内容が進歩発展しているという。なぜか? それは新しい手法の作品にじっと注意を向けているためである。なぜなら、私たちをとり巻く生活、ありとあらゆるものは、成長し、前進しているのであるから。それゆえに、私は皆さんにお勧めする……生活を、芸術を、じっと観察しなさいと」(ワガノワのバレエレッスン、アグリッピナ ワガノワ (著), 村山 久美子 (翻訳)、新書館)

話が飛んでいるようで飛んでないんです。
先ほどのIADMSの論文で示されたデータのうちターンアウトに大きく影響するのが脛骨捻転。すねの骨のねじれのことです。

これについてバレエ界でもっとも早く教材の形で警鐘が鳴らされたのは2003年の米国。
その警鐘を鳴らした方は、デボラ・ボーゲルさんです。米国でダンサーやダンス教師に対して体の使い方のレクチャーをされている方です。来月もニューヨークで開かれる千人規模のダンス教師向けのサミットでいくつかレクチャーをします。日本では『イメージ・筋肉上達法』の著者でもあります。

もしあなたがバレエ教師で、「膝とつま先を常に揃えるように」生徒に指導しているとしたら、少なくとも十年遅れた指導をしていることになります。
もしあなたがバレエを学ぶ生徒さんで、「膝とつま先を常に揃えるように」努力しているけど、どうにも足がいうこと聞きそうにないなら、それは正しい努力ではないかもしれません。

デボラさんは言います。
「教育が怪我の予防のカギである」と。

そのカギを手に入れませんか?

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