カテゴリー「心と体」の23件の記事

体使いの診療所?

古武術の実践研究家として有名な甲野善紀さんの音楽家講座に参加して来ました。

一般に当たり前と思われている身体の使い方とは一線を画した身体操法で、不可能と思われてもおかしくない技、動き、力を次々と披露してくださいました。

何事も体験が大事と当方も平蜘蛛返しという技をかけていただきました。うつ伏せで返されまいと頑張っている体があっさりと一瞬でゴロンでした。この技覚えたらレスリングで負けなしになれるかも。

本日は音楽家講座ということで、参加者が思い思いの楽器持参で身体の使い方のアドバイスを求めに集まっていらっしゃいました。

甲野さんの本領発揮はここからで、初対面の方の演奏上の悩みや問題点をその場で次々と解決してしまうのです。甲野さんご自身はほとんど弾いたことがないような楽器ばかりです。

身体の使い方を日々探究されていらっしゃるだけあって身体感覚の引き出しが豊富でいらっしゃる。しかも、相談者の動きを見てご自身の身体に投影して、「ここがおかしい。こう変えよう。」とアドバイスされます。

すると、あれよあれよという間に、音が変わる、声が変わる、で皆さん感激していらっしゃいました。

本日の甲野さんご自身の気づきを紹介します。

「初心者にとって基礎は意識されるものであってはならない。熟達したときに、自然と残ったものが基礎である。」



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立ったままターンアウトのストレッチ

回転盤を使ったターンアウトのストレッチ。

立ったままターンアウトのストレッチをしている様子です。

自力でターンアウトしたところから、外力を加えてさらにターンアウトさせストレッチしています。

一般的なターンアウトのストレッチとは異なり、足が回転盤に固定された状態のクローズドキネティックチェーン(CKC)でのストレッチとなります。

実際はもっと長くストレッチします。

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ポアント・ストレッチャーの使い方2 伸びを感じる場所

ポアント・ストレッチャーで真っ直ぐ甲を伸ばしたとき、伸びを感じる場所がどのあたりになるかを動画で示してみました。動画の後半、手でさすっている辺りが伸びを感じている場所です。つま先から足首にかけての前面になります。

ただし、伸びを感じる場所は、じん帯や関節の状態によって、個人差があります。

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ポアント・ストレッチャーの使い方1 真っ直ぐ伸ばす場合

ポアント・ストレッチャーの使い方の動画を作ってみました。実際には、もっと長時間ストレッチを持続する必要がありますが、使い方の説明ということでご了承下さい。トゥシューズが履きやすくなるだけでなく、新体操などでつま先を伸ばしやすくするのにも使えると思います。

ここでは、甲を真っ直ぐに伸ばしていますが、逆鎌側へ伸ばすこともできます。そのやり方については、後日アップできると思います。

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ターンアウトの角度計の写真です

立位(立った状態)でターンアウトの角度を測定する器械の写真をアップしました。左下のアルバムをクリックしてみてください。

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ターンアウトがわからない1

「ターンアウト」といえば、おそらくレッスンの中でもっともよく耳にする言葉の一つだと思います。

教師は、生徒にもっとターンアウトして欲しくて何度も「ターンアウト、ターンアウト」と繰り返します。

生徒は生徒で「もっとターンアウトしなきゃ」と必死になります。

これは日本中、あるいは世界中で見られるごく日常的な風景かも知れません。

ところが、ちょっと立ち止まって考えてみると、ターンアウトとはいったい何なのか答えられるでしょうか。

つま先の開き、膝の開き、股関節の開きなどなどいくつかの答えが聞こえてきそうです。

実は、どれも正解になり得るのが現状です。

というのは、ターンアウトの測り方には世界標準がないのです。

言い換えると、ターンアウトには定義がないのです。

定義がないのですから「ターンアウト=よくわかんない」ともいえるわけです。

ということは、教師がいう「もっとターンアウトして」とは「もっとよくわかんないことして」といっていることと同じになります。

生徒が思う「もっとターンアウトしなきゃ」は「もっとよくわかんなことしやきゃ」と同じになります。

「よくわかんないこと」を目指して「よくわかんないこと」をしていても何も具体的な変化が起こらないように思いますが、はたしてどうなのでしょう。

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モモもターンアウト

ターンアウトというと股関節からつま先までのトータルで考える必要があります。

今回はモモに注目します。モモの骨のことを大腿骨といいます。

先生に「もっと膝を開いて!」などといわれることはありませんか。

これはもっとトーンアウトしなさいということと同じですね。

もしそういわれたら、モモを外へ回す、つまり大腿骨を外旋すればよいことになります。

これでよりターンアウトできるようになります。

この場合、先生は膝の向きでターンアウトの度合いを見ていることになります。
では、どこまで膝が開けば、あるいは膝がどこを向けばOKなのでしょうか。

理想的には真横になります。

ところが、統計的には膝が真横を向くことはほとんどありません。あくまでも理想として真横を目指します。

なるべく膝が真横を向くにはどうしたらよいでしょうか。

そう、股関節を外旋させればよいのです。

では、膝の向きは股関節の外旋だけで決まるのでしょうか。

いいえ、実は決まりません。

モモのねじれが影響します。

ねじれたショートパスタのようにモモがねじれている様子を想像してください。
股関節に対して膝が外へ向くようにモモがねじれていると、そのぶん膝が真横に近づきます。

逆に、膝が内へ向くようにモモがねじれていると、せっかく股関節が開いても膝は真横から遠くなります。

このモモのねじれ具合が人によって大きく異なるのです。

どうねじれていると膝が真横に向きやすいでしょうか。

そう、なるべく膝が外へ向くようにモモがねじれているとよいわけです。

そんなモモに改造できるでしょうか。。

できません。

自然に任せるしかありません。

ではどうやったら少しでも膝を真横に向けられるでしょうか。

股関節を開くしかありません。

股関節はできるだけ開き、モモのねじれが加算され、得られた膝の向きが自分の限界の膝の向きとなります。

モモが外ねじれのひとはラッキーですね。

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スネもターンアウト

ターンアウトというとつま先の開き具合に注目が行きがちですが、実際には股関節からつま先までのトータルで考える必要があります。

今日はスネのターンアウトに触れてみたいと思います。

スネとは、膝から足首までの部分を指します。

ここの骨は二本あり、太い方が脛骨(けいこつ)、細い方が腓骨(ひつこ)と呼ばれます。

ターンアウトに関係して問題となるのは、脛骨です。

この骨がどう問題になるかというと、まっすぐではないのです。

まっすぐでないとは、どうなっているのか考えてみてください。

答えは、「曲がっている」か「ねじれている」、あるいはその両方となります。

ターンアウトに関係するのは、「ねじれ」のほうです。

膝に対して足首側が外へ向かってねじれている場合もあれば、その逆もあります。

このねじれが大きいと、プリエをしたときに、膝の向きとつま先の向きがそろわなくなります。

たとえば、足首側が外へ向かってねじれていると、プリエをしたとき、膝はつま先の向きより中に入ってきます。

よく「膝の向きにつま先を置く」などといいますが、実はそれができない人も一定の割合でいるということです。

この分の踊りにくさを常に抱えて踊ることになります。

なぜこのようなねじれが生じるかというと、生まれつきによる部分もありますが、後天的な原因として、無理なターンアウトが指摘されています。

十歳前後の骨の成長期に、股関節での開きが不十分なのに、つま先だけでも目一杯開くようにしていると、まだ柔らかさが残っている骨が少しずつねじれていくというわけです。

股関節の開きに左右差がある場合は、股関節が開きにくい側のスネでねじれが起こりやすいです。そちらのほうがなんちゃって度が高くなりますから。

いずれにしてもこれはもとには戻せません。

足を前に投げ出して座ってみてください(長座)。左右の膝頭の向きをそろえたとき、つま先は外へ向かって倒れていませんか。どちらか一方でその傾向が強いですか。

もし該当するようであればスネがねじれているかも知れません。膝とつま先がそろっているようであればラッキーです。

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甲にも個人差

都会生活は、甲をくっつけやすいと前回書きました。

でもスタジオを見回してみると、甲がよく出る人が何人かいると思います。

彼女たちは都会で生活していないのだろうか。。

おそらくそんなことはありません。

これは個人差の問題です。

たとえば身長。

ある年齢の大人の人を無作為に百人集めると、背の高い人もいれば背の低い人もいて、かなりばらつくと思います。

仮に成長期にある10歳に注目して、10歳の子供を百人集めたとしても、背の高い子もいれば背の低い子もいてかなりばらつくと思います。

身長を伸ばす早寝早起き朝ご飯と、外遊びなどの運動をしっかりやっている子供に限定してみると、やっていない子よりは大きいかも知れないけど、やはり、背の高い子もいれば背の低い子がいると思います。

体重について調べても同じようにばらつくと思います。

人のからだについて調べてみると多くの場合、上記のようなばらつきが見られます。

甲についても同様です。

年齢や生活環境などある程度条件をそろえたとしても、甲がよく出る人と出ない人がでてきます。

単にばらつくとはいえその一方で、甲が出やすくなる、あるいは、出にくくなる環境があることも事実だと思います。

ですので、ひとり一人が自分の置かれた環境を少しでも甲が出やすいものに変えていくことで、今よりも甲が出やすくなる可能性が高まります。

たとえば、石畳の多いヨーロッパへ引っ越すとか。未舗装路の多い田舎へ引っ越すとか。

でもこれは現実的ではありませんね。

そこでちょっと考えます。

環境とは外のことだけではありません。

中の環境も考えられます。

たとえば、日々青竹を踏むようにするとか、砂の上でルルベで立つ練習をするとか。

要するに努力系の環境のことです。

これなら工夫次第で色々なことができます。

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くっつく甲

関節の特徴のひとつに「くっつく」というのがあります。

くっつくといっても完全にくっつくわけではありません。

骨と骨が向かい合って接しているところが関節。
でも直接骨どうしが接しているわけではなく、あいだに滑りをよくする滑膜や軟骨があります。そして、関節をまたぐように靭帯や関節包がついています。

人間のからだには、環境に適応するという性質があります。

たとえば、北海道のひとは沖縄のひとより寒さに強かったり、ギターをしょっちゅう弾いている人の左手の指先はカチカチに硬くなっていたり。

バレリーナがもっとも気にするからだの一部が「甲」です。

実はその甲はからだの中でも、たくさんの関節が1カ所にあつまっているという特徴があります。

関節がたくさんあるにもかかわらず、膝や指のようにたくさん曲げ伸ばしできるわけではありません。

なぜなら、ゴムバンドのような靭帯でガチガチに覆われているからです。関節面の形も一役買っています。

ようするに、あまり動かないということです。

あまり動かないところを本当に動かさないでおくとどうなるでしょうか。

人間のからだは環境に適応すると書きました。

関節もしかりです。

つまり、動かされない関節は動かないようになってしまうのです。

わずか50年ほどまえまで、道路は舗装されておらず凸凹道が普通でした。凸凹道を歩けば甲の関節はよく動いたことでしょう。

でもいまは都会ではどこへ行っても平らです。室内でも室外でも凸凹のところを歩く機会はほとんどありません。

しかも、靴は底がしっかりしています。地下足袋やわらじで未舗装の道路を歩いていた頃が羨ましい。

何がいいたいかというと、都会生活では甲の関節はあまり動く機会がないのです。

動かないという環境に適応した関節はどうなるかというと、動かなくなるのです。

つまり、甲の関節がくっついてしまうのです。

甲の関節がくっついた結果、甲が出にくくなるのです。

甲が出ない原因は他にもありますが、どうも甲が出ないとお悩みの方は関節のくっつきを疑ってみてください。

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